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2018年5月24日

ピアニスト野島稔さんに聞く

6/26(木)に当ホールでリサイタルを行うヴァディム・ホロデンコ。彼の音楽をよく知る、ピアニストで東京音楽大学学長の野島稔さんにお話を伺いました。

――野島さんは、ホロデンコが優勝した2010年第4回仙台国際、2013年ヴァン・クライバーンともに審査員を務められていますね。ホロデンコにはどんな印象を持たれましたか?

どちらのコンクールでもダントツでした。音の質がとにかく素晴らしい。最強音を出しても柔らかさがあり、聴いていて喜びを覚えました。コンチェルトでは、自分が思う音をオーケストラにも出させてしまうような見事なアンサンブル。一般的に、若い人にはオーケストラをリードするのは難しいですし、例えば仙台国際で彼が弾いたラフマニノフの協奏曲第2番は、音楽的にも非常に難しい曲です。オーケストラにかき消されて、ピアノの音がきこえてこない演奏もあります。でも彼には、アンサンブルのセンスや柔軟性があるのでしょう。他の楽器と融合するような音を出していて、目立つ存在でした。ずば抜けて洗練されていましたね。

――今回は、前半にラフマニノフとスクリャービン、後半にショパンを演奏します。

彼の美点が120%出るプログラムだと思います。どれも彼の中心となる音楽です。

――聴きどころは。

ウクライナで生まれ、モスクワで学んだ彼にとって、ロシア音楽はお国もの。ラフマニノフやスクリャービンが良い演奏になることは想像できます。ショパンのエチュードは、一曲ごとの詩を、彼の洗練された技術でどのように展開するかが聴きどころでしょう。核心に迫る演奏が聴けるのではないでしょうか。音符が多い曲を、コントロールして、整理して弾くことは難しいのですが、彼にはそれができますし、ピアノはこんな音も出るんだ、と気付かされるような世界が展開されると思います。

若き巨匠、といっても過言ではないピアニスト。十八番がちりばめられたプログラムをお聞き逃しなく。

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※写真はヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール時のもの。©Ralph Lauer