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2018年6月 5日

上尾直毅からメッセージ!

「チェンバロ・フェスティバルin東京」で、6/30に開催するバッハとその先輩たちの作品をあつめたリサイタルと、7/1の室内楽公演に登場する上尾直毅さん。バッハとの出会いは、1枚のレコードだったそうです。

 

ゆっくり歩んできたバッハへの道
上尾直毅(チェンバロ奏者)

小学校4年生の頃、夢中になったレコードがあった。記憶している限りこのレコードが、バッハを素晴らしいと感じた私の最初の経験である。アレクシス・ワイセンベルクが演奏する「バッハ・ピアノ名曲集」というタイトルのLP。19世紀以降のピアニストによる編曲されたバッハの名曲を集めたものだった。中でも特にお気に入りはマイラ・ヘスが編曲したカンタータ147番のコラール「主よ、人の望みの喜びを」だったのだが、私の興味はそのレコードに収録されていた他のコラール編曲やオルガン曲のピアノ編曲作品へと移っていった。その中の何曲かをどうしても自分で演奏したいと思い調べたところ、某楽譜出版社のピアノピースという名のシリーズの中にあるのを見つけ楽譜を購入しに行った。
町の楽器屋さんに赴き所望する楽譜を伝えそれを購入する際、お店のおねえさんが「こんなん弾けんの?」と疑わしそうに宣ったのに対し私は「弾けても弾けへんでもどっちでもええやん」と心の中で返事したのでした。(関西弁で・・・小学生の私はそれを声に出して言う事が出来なかった・・・。)

 

その後チェンバロという楽器に出会うまではそれほど時間を要しなかった。ラジオで放送されたバッハのチェンバロ協奏曲をカセットテープに録音し何度も何度も繰り返し聴いたのだが、その演奏者は後に師事することになるグスタフ・レオンハルト先生だった。
小学校高学年でバッハを始めバロック音楽全般が好きになったと書くと、なんと早熟な子供なのだろうと思われるかもしれないが、そもそもは歌謡曲が大好きだったし、中学校に入るとハードロックにはまりバンドを組んだりもした。レコードで聴くロックは楽器のソロで即興的なフレーズが飛び出してくる。そういうものに興味を持ちコピーして演奏のマネ事をした経験は、後に私が通奏低音を演奏する時に多少なりとも役立っているように思う。

 

そんなこんなでバロック音楽の専門家になりたいという想いは早くから芽生えていたのだが大学を卒業するまではピアノを勉強することにし卒業と同時にチェンバロを本格的に学ぶ事になった。これまでバッハからの道をゆっくり歩いてきたのだが、バッハに至る道は・・・見つけるのにまだまだ時間がかかりそう。

 

6/29(金)~7/1(日)チェンバロ・フェスティバルin東京の詳細はこちらから。