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2018年6月13日

響板のローズ

チェンバロには非常に美しい装飾の施されたものが少なくありませんが、チェンバロの装飾の中で、非常に魅力的なものの一つが「ローズ」です。さまざまなローズの写真を、渡邊順生さんの解説とともにご紹介します。

 

「響板のローズ」渡邊順生(チェンバロ奏者)

チェンバロの響板の低音部のベリーレール近くにあけられた円形の響孔に施された装飾を「ローズ」と呼ぶ。その基になったのは、大聖堂の高いところに作られた「薔薇窓」。「ローズ」とは文字通り「薔薇窓」のことなのだ。

これらの写真は、ステンドグラスで有名なフランスのシャルトルの大聖堂の薔薇窓を外側と内側から撮ったもの。

    教会の内外窓.jpg

 小)イタリアン・チェンバロのローズ2個.jpg

イタリアン・チェンバロのローズは、この教会の薔薇窓の正にミニチュアなのである。
革細工もしくは紙細工による立体的な幾何学模様が特徴。これらは、全て16世紀のイタリアのローズの例である。

 

 

ヴォードリー、デリュイソー.jpg

17世紀フランスのチェンバロのローズも負けず劣らず美しい。
フランスのチェンバロは響板に花の絵が描かれているので、非常に華やかな印象を与える。

 

 

  

 

これらと全く異なる考え方で作られたのが、フランダース様式のチェンバロのローズ。フランダースで一世を風靡したリュッカース一族は、鋳型に流し込んだ鉛に金箔を載せたローズを作り出した。図柄はハープを弾いている天使で、両側に製作者の頭文字が置かれている。18世紀フランスのチェンバロは、フランダース様式のローズを踏襲した。

フランダースのローズ2点.jpg

 

 

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