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2018年9月 3日

「団員の技量、聴いて欲しい」 曲目解説とメッセージ届く

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主宰ピーター・ソコレ氏によるメッセージとミニ解説

 世界屈指のオーケストラ、オランダのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の現役団員でつくる室内楽団「ムジカ・レアーレ」が来日する。首席奏者を含む8人(第1日目は7人)が、多彩な編成で名曲中の名曲から知られざる傑作までを届ける。演奏プログラムについて、主宰の元コンセルトヘボウのヴィオラ奏者、ピーター・ソコレ氏=写真=がメッセージを寄せた。


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 「ムジカ・レアーレ」は、イタリア語で「本物の音楽」と「王室の音楽」の両義を持つ。コンセルトヘボウの個々の楽団員のすぐれた腕前を、小編成作品の演奏によって際立たせたいという願いから結成した。無限の広がりを持つ室内楽の世界へ、ぜひ足を運んで欲しい。

【第1日】11月20日(火)午後7時
第1日目のプログラムは、モーツアルト、ブラームスという大作曲家とともに、あまり有名ではないけれど偉大な作曲家を並べた。

ユリウス・レントゲンは膨大な作品群(600作品以上)を残したオランダの作曲家。ブラームスやグリーグ、ヴァイオリンのヨゼフ・ヨアヒムやカール・フレシュ、チェロのパブロ・カザルスと親交があり、交響楽から声楽、室内楽までさまざまに作曲した。今回演奏するのは、1915年~1930年の間に作曲された16の弦楽三重奏曲のうち14番目の作品となる。

シュルホフは、ユダヤ人であったためナチスによって「堕落した作曲家」と見なされ殺害された作曲家だ。もし殺されなければ、おそらく20世紀を代表する作曲家の一人になっていたはず。「オーボエ、クラリネット、バスーンのためのディヴェルティメント」のよろこびに満ちた音楽は、こうした評価が間違っていないことのあかしとなるだろう。

モーツアルトのオーボエ四重奏曲、ブラームスのクラリネット五重奏曲はいずれも広く愛されている作品であると同時に、難度の高い技巧が要求される作品でもある。ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団が誇る2人の独奏に注目。

【第2日】11月21日(水)午後2時
第2日目のプログラムのうち4作品は作曲家が比較的若かった時代に書かれた。イベールの「五つの作品」だけは、45歳の時に作曲された。

ベートーヴェン自身、作品番号9となる偉大な弦楽三重奏曲を、初期の傑作の一つと自ら評価していた。情熱的かつ深淵、大いなる力を宿した作品だ。

ブリテンのオーボエ四重奏曲(幻想曲)は18歳の時の作品。情感に満ちた、牧歌的ともいえる音楽はオーボエの音色や表現力をあますところなく使う。

フランスの作曲家であるプーランクとイベールは、木管楽器の扱いが特にすぐれいていた。プーランクのソナタは、プーランクらしいのびやかさと思索が感じらる。一方、イベールの作品は機智に富み、軽やか。

メンデルスゾーンの弦楽五重奏曲第1番は17歳の時に書かれた。すでに完成の域に達した成熟度をたたえる傑作だ。対位法や音楽的な構造を自在に操って感情が表現されており、若き作曲家がまごうことない天才であったことを示している。

                      ピーター・ソコレ