浜離宮朝日ホール|朝日ホール通信

1992年オープンの室内楽専用ホール。特にピアノや繊細なアンサンブルの音色を際立たせる設計でその響きは世界でも最高の評価を受けています。


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3ムジカ・レアーレは、イタリア語で「本物の音楽」と「王室の音楽」の両義を持つ。コンセルトヘボウの個々の楽団員のすぐれた腕前を、小編成作品の演奏によって際立たせたいという願いから結成した。無限の広がりを持つ室内楽の世界へ、ぜひ足を運んで欲しい。【第1日】1日目のプログラムの冒頭と最後には、モーツァルトのオーボエ四重奏曲、ブラームスのクラリネット五重奏曲という大作曲家の傑作が並ぶ。いずれも広く愛されている曲だが、難度の高い技巧が要求される。コンセルトヘボウが誇る2人の管楽器奏者の独奏に注目。その大作曲家と並んで演奏されるのは、ユリウス・レントゲンとエルヴィン・シュルホフという、あまり有名でない作曲家の作品だ。レントゲンは600作品以上を残したオランダの作曲家。今回演奏曲目に選んだのは、1915年〜1930年の間に作曲された16の弦楽三重奏曲のうち14番目の作品。シュルホフはユダヤ人であったため、ナチスの迫害を受け、48歳の時に強制収容所でこの世を去った。もし殺されなければ、おそらく20世紀を代表する作曲家の一人になっていただろう。オーボエ、クラリネット、バスーンのためのディヴェルティメントの喜びに満ちた音楽は、そのことを証明するはず。【第2日】2日目のプログラムのうちイベールを除く4作品は、作曲家が比較的若かった時代に書かれたものを集めている。ベートーヴェンの作品番号9となる弦楽三重奏曲は、情熱的かつ深淵で、大いなる力を宿している。ブリテンのオーボエ四重奏曲(幻想曲)は18歳の時の作品。情感に満ち、牧歌的でもある音楽はオーボエの音色や表現力をあますところなく使う。メンデルスゾーンが17歳の時に書いた弦楽五重奏曲第1番は、すでに完成の域に達した成熟度をたたえる傑作。対位法や音楽的な構造を自在に操って感情が表現されており、若き作曲家がまごうことない天才であったことを示している。フランスの作曲家であるプーランクとイベールは、木管楽器の扱いが特にすぐれていた。プーランクのソナタは、プーランクらしいのびやかさと思索が感じられる。一方、イベールの作品は機智に富み、軽やか。主宰:ピーターソコレ(元ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団・ヴィオラ奏者)オランダのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の現役メンバーによる室内楽団「ムジカ・レアーレ」が来日公演を開く。コンセルトヘボウ管弦楽団といえば、ベルリン・フィルやウイーン・フィルと並ぶ名門楽団。そのオーケストラの中から演奏曲目に応じて自在にメンバーを選抜し、多彩な編成の室内楽を演奏する。個々の団員の技量の高さが聴きものだ。王道の名作から知られざる傑作までを、最高水準の音色とハーモニーで届ける。今回来日するのは弦楽器5人、管楽器3人の計8人(第1日目は7人が出演)。2公演とも、変化に富んだ楽器編成のプログラムとなっている。同室内楽団の主宰ピーター・ソコレ氏(元コンセルトヘボウのヴィオラ奏者)が、2公演のプログラムについて以下のメッセージを寄せた。多彩な編成で楽しむ最高峰の室内楽


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