浜離宮朝日ホール|朝日ホール通信

1992年オープンの室内楽専用ホール。特にピアノや繊細なアンサンブルの音色を際立たせる設計でその響きは世界でも最高の評価を受けています。


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年間ラインナップ聴きどころピアノを味わう2021年7月から2022年3月までの主催公演ラインナップから、テーマごとに注目公演をピックアップ。浜離宮朝日ホールというと、ピアノの響きが美しいコンサートホールというイメージをお持ちの方も多いことだろう。ひとりのピアニストの演奏にじっくりと向き合うのにぴったりな空間で、リニューアル後も多くのリサイタルが予定されている。順を追ってご紹介していこう。田部京子のリサイタル・シリーズ「シューまずは7月に開催されるベルト・プラス」(14P)。第7回目はシューベルトのソナタ第4番に、ショパンのソナタ第2番「葬送」、そしてシューマンの「クライスレリアーナ」と、濃密なロマン派のピアニズムが堪能できるプログラムとなっている。8月には浜離宮ランチタイムコンサートに、日本の若手を代表するピアニストとして活躍する實川風(13P)。得意とするベートーヴェンを軸にしたプログラムで、ソナタ第8番「悲愴」と第31番を聴かせてくれるのが楽しみだ。が登場ふたりの新星によるショパン世間では2021年に延期されたショパン国際ピアノコンクールに向けて盛り上がっているであろう9月、世界の脚光を浴びる新星が相次いで浜離宮朝日ホールでショパンを披露する。ひとりが2019年の仙台国際音楽コンクールで優勝を飾った韓国出身のチェ・ヒョンロク(14P)。過去には、ブゾーニ国際ピアノコンクールでファイナリストになったほか、アジア・パシフィックショパン国際ピアノコンクールで第3位に入賞した経歴を持つ。ソウル国立大学で学び、現在はザルツブルク・モーツァルテウム大学でパヴェル・ギリロフに師事するチェが、本公演ではショパンのソナタ第3番などを演奏する。仙台のコンクールから2年を経て、どのような進化を遂げているだろうか。そしてもうひとりが、イタリア出身のアレクサンダー・ガジェヴ(10P)。著名なロシア人音楽教師の父のもとで研鑽を積み、早くから才能を発揮してきた。2015年、20歳のときに浜松国際ピアノコンクールで優勝。ラ・フォル・ジュルネTOKYOにも出演し、「第2の家」と言うほど日本を愛するガジェヴが、本公演ではオール・ショパン・プログラムでその真髄を聴かせる。奇しくもチェは1993年、ガジェヴは1994年生まれ。どちらもギリロフの薫陶を受け、日本のコンクールで優勝経験を持つふたりのショパンを聴き比べてみるのも面白いかもしれない。4


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