浜離宮朝日ホール|朝日ホール通信

1992年オープンの室内楽専用ホール。特にピアノや繊細なアンサンブルの音色を際立たせる設計でその響きは世界でも最高の評価を受けています。


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黒岩悠©MarcoBorggreveアレクサンドル・タロー9月には、ほかにフランスを代表する名ピアニスト、ミシェル・ダルベルト(14P)が登場。シューマンの「謝肉祭」をはじめ、モーツァルト、リスト、ショパンといったプログラムで円熟の境地を聴かせてくれることだろう。10月には、黒岩悠によるバッハのリサイタルが開催される。音楽一家に生まれ、ヨーロッパで錚々たる音楽家たちの教えを受けた黒岩は、2014年のデビュー・アルバムでも鮮烈なバッハを聴かせていただけに期待が高まる。タローのスペシャル・プログラム11月は、アレクサンドル・タローによるスペシャル・プログラム「エリック・サティ」で芸術の秋の深まりを感じたい。これはタローがヨーロッパ各地で開催してきた企画で、サティの音楽と文学(詩や著作など)を独自の視点で組み合わせ、タローのピアノとテノール歌手ジャン・ドゥルスクルーズの歌、そして日本人俳優の語りで構成される約75分のステージ。タローはこれ以外にもう1公演、シューベルト、リスト、ショパンをプログラムとするリサイタルも行う。浦山純子、ゲルハルト・オピッツ同じく11月には、のリサイタルも開催される。ロンドンを拠点に活動したのち、2005年に帰国し、多彩な企画を展開する浦山によるリサイタル・シリーズ「withFriends」。第3回目となる本公演では、前半にソロでチャイコフスキーとスクリャービンを、後半にヴァイオリンの前田朋子を迎えてブラームスを演奏する。オピッツは2020年11月〜12月、ベートーヴェンのアニヴァーサリー・イヤーの終わりに来日公演を行い、滋味あふれる最後の3つのソナタを聴かせてくれたことも記憶に新しい。本公演でも、ベートーヴェンの2つのソナタ(第17番「テンペスト」、第23番「熱情」)に加え、シューマン、ブラームスというプログラムで、正統派ドイツ・ピアニズムの息遣いを存分に堪能することができる。©AkiraMuto浦山純子©ConcertoWindersteinゲルハルト・オピッツそして2021年のピアノ・リサイタルの掉尾を飾るのは、12月のイーヴォ・ポゴレリッチ。2005年に6年ぶりの来日を果たして以来、定期的に日本を訪れては聴衆を感嘆させているが、浜離宮朝日ホールでどのような伝説が生み出されるのか。心待ちにしたい。©GabrielHillStudios,Baselイーヴォ・ポゴレリッチ5


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