浜離宮朝日ホール|朝日ホール通信

1992年オープンの室内楽専用ホール。特にピアノや繊細なアンサンブルの音色を際立たせる設計でその響きは世界でも最高の評価を受けています。


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アレクサンダー・ガジェヴピアノ・リサイタルInterview9/8(水)19:00¥5,0006/11(金)発売ショパンは内面をさらけ出さないと弾けない――ガジェヴさんにとってショパンはどんな作曲家ですか?「ショパンは私にとって“詩人”です。私たちの心の内面を世界に示します。彼は外の世界についてはあまり気にせず、自分の中に答えを見出します。だからこそ、ショパンはもっとも演奏が難しい作曲家なのです。内面をさらけ出さないといけませんから」――浜離宮朝日ホールでのリサイタルについて、聴きどころをお教えいただけますか。「今回のプログラムは、ショパンの中で自分がもっとも好きな作品を選びました。有機的なプログラムを自然なやり方で一晩にまとめる方法を見つけたかったからです。おそらくいちばん好きな作品は〈葬送ソナタ〉。この作品は人間の感情や人生の出来事のすべてを描いており、小さな宇宙のようです」――ガジェヴさんは18歳でモーツァルテウム音楽院に留学するまで、お父さまにピアノを師事していたそうですね。親子だからこその難しさはありませんでしたか?「そうですね、父と一緒に勉強できたことは、私の人生の中でおそらく最大の恩恵といえるでしょう。もちろん、いつも簡単なわけではショパン:前奏曲Op.45、舟歌3つのマズルカOp.56、ポロネーズ第5番バラード第2番、幻想ポロネーズピアノ・ソナタ第2番「葬送」※当初の曲目から一部変更となりました。©ShahriyarFarshidありませんでしたが、私の父は“父親”と“教師”の役割をうまく使い分けていたので、家庭に緊張感はありませんでした。学ぶときは学び、家にいる時はリラックスして過ごすことができました」――大の日本好きとのことですが、来日で楽しみにしていることは?「日本は私にとって本当に素晴らしい国です。毎回、別の時空に入ったような気分になります。ある種の伝統がいまだに尊重されていて、敬意を払うことが最大の価値であると感じる空間、時間です。そして、私が感じるこの“古代”の感覚と、極度の現代性やテクノロジーとの間には、信じられないようなつながりがあります。西洋では難しいと感じることですが、このふたつはとてもうまく調和しているように感じます。日本中を旅して、お客さまと交流し、忘れられないほど美味しい食事!を味わうのを楽しみにしています」5


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