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中村恵理今の自分だからこそ、マノンと向き合いたい世界が注目するディーヴァ浜離宮朝日ホールに初登場説得力あるヒロイン像を描き切るど、マノンの場合は意図的ではなく自然に魅了してしまうのです」(中村恵理、以下同)「新国立劇場や英国ロイヤル・オペラの研修所時代今年の5月には新国立劇場で「椿姫」に主演した中村に、マスネの『マノン』は絶対やったほうがいい、と言わ恵理。彼女の魅力は、歌で主人公を描き切る力だ。「椿れていました。ただ、役というのは欲しい時には来ませ姫」のヴィオレッタは、各幕に違うソプラノが必要だといんし、これまでオペラ全曲を歌ったこともありませんでわれるほど表現の幅が広い作品だが、中村の説得力のした。最近『椿姫』や『蝶々夫人』のような、思いがけずあるヒロイン像は多くのオペラ・ファンを感動させた。大きな役をいただけるようになり、だからこそマノンとも浜離宮朝日ホールでの初リサイタルとなる今回、彼う一度向き合いたいと思ったのです。それにプッチーニ女が中心に据えたのは、18世紀フランスの最も魅惑の『マノン・レスコー』がレパートリーとして範囲内に入っ的な女性像マノンだ。アベ・プレヴォーの小説『マノン・てきたように思うので、今回、最終幕から『一人捨てらレスコー』のヒロインである。れて』を入れることにしました。これは初めて歌います」「マノンには、若さゆえの無垢な官能性があります。「この二つのマノンを歌うことによって、彼女のキャラ男性を狙って惑わせているわけではない、自然と溢れてクターを理解したい。私にとってリサイタルというのは、くる魅力が。『椿姫』のヴィオレッタは二十歳を超えた自分自身にどのような可能性があるかを見つめる、挑戦女性ですし、職業として男性を惑わせて生きてきたけれの場でもあるんです」2