浜離宮朝日ホール|朝日ホール通信

1992年オープンの室内楽専用ホール。特にピアノや繊細なアンサンブルの音色を際立たせる設計でその響きは世界でも最高の評価を受けています。


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古楽最前線古楽系の指揮者やオーケストラが大躍進したり、実力ある若手の古楽演奏家が脚光を浴びたりと、いまやすっかりクラシックのメインストリームを担う古楽シーン。その最前線をひた走る気鋭の演奏家による公演は、「古くて新しい」音楽の魅力を感じさせてくれることだろう。天才リコーダー奏者現る!11月に来日するルーシー・ホルシュはオランダ出身、20歳のリコーダー奏者。幼少期より「天才リコーダー少女」と呼ばれ、フランス・ブリュッヘン直系の弟子で多くの世界的名手を育てたワルター・ファン・ハウヴェに師事。わずか17歳でデッカ・クラシックと専属契約を結び、2枚のアルバムをリリースした俊英である。トン・コープマン指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、佐藤俊介が音楽監督を務めるオランダ・バッハ協会、アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック、18世紀オーケストラなどとの共演のほか、リュート奏者のトーマス・ダンフォードとデュオを組んで精力的に活動している。彼女の圧倒的なテクニックとスケール感を持つ演奏に触れたら、リコーダーという楽器のイメージがガラリと変わるかもしれない。2022年1月のランチタイムコンサートでは、鈴木優人鶴田洋子(フラウト・トラヴェルソ)のデュオを聴くことができる。指揮者、プロデューサー、作曲家としてもパワフルに活躍する鈴木と、アムステルダム音楽院古楽科で学び、ヨーロッパ屈指のグループと共演を重ねてきた鶴田。夫妻でもあるふたりの、音楽による会話に耳を傾けたい。(チェンバロ)&©decca_DanaVanLeeuwenルーシー・ホルシュ©MarcoBorggreve鈴木優人鶴田洋子バンジャマン・アラール待望のバッハ・プログラムそして2月には、バンジャマン・アラールによるチェンバロ・リサイタルが開催される。2004年に権威あるブルージュ国際古楽コンクールで優勝、さらに2007年にはゴットフリート・ジルバーマン国際オルガン・コンクールでも優勝して注目を集め、チェンバロおよびオルガン奏者として古楽シーンを牽引する存在。ラ・プティット・バンドの通奏低音奏者(2017年の浜離宮朝日ホール公演にも出演)や、パリのサン=ルイ=アン=リル教会の正オルガニストとしても活動している。フランスの老舗インディペンデント・レーベル、ハルモニア・ムンディでバッハの鍵盤作品全集の録音という壮大なプロジェクトを進めているアラールが、本公演ではオール・バッハ・プログラムで、その本領を余すところなく発揮する。7


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