浜離宮朝日ホール|朝日ホール通信

1992年オープンの室内楽専用ホール。特にピアノや繊細なアンサンブルの音色を際立たせる設計でその響きは世界でも最高の評価を受けています。


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7〜9月の公演からアストル・ピアソラ生誕100年祭!三浦一馬キンテートInterview7/6(火)19:00¥6,0004/24(土)発売生誕100周年に挑む「今」という時代におけるピアソラ2021年はアルゼンチン・タンゴに革命を起こしたバンドネオン奏者・作曲家、アストル・ピアソラの生誕100周年。この記念すべき年に、日本を代表するバンドネオン奏者、三浦一馬はどのようにピアソラに向き合うのか。公演への意気込みを聞いた。「ピアソラが亡くなったのが1992年。それから数年の間にギドン・クレーメルやヨーヨー・マといったクラシックの演奏家に取り上げられ、日本でもCMで『リベルタンゴ』が流れたりして、空前のピアソラ・ブームが起きました。生前はジャズや現代音楽などのマニアックな音楽ファンの間でのみ聴かれる存在だったので、急激にその受容が変化した作曲家だと言えるでしょう」ブームからさらに20年が経ち、若い世代である三浦が追い求めるのは「今」という時代におけるピアソラの表現。みずから率いるキンテート(五重奏)や東京グランド・ソロイスツ(室内オーケストラ)では、緻密に作り込まれたインテリジェンスと、熱気が立ち上るようなワイルドさのバランスが、じつに今様に感じられる。「音楽って時代ごとにアップデートされていくものだと思うんです。そういう意味では、共演者も含めみんな現代を生きている人間なので、日々更新されていく時代の空気を感じながら演奏しています。そしてもうひとつ、僕にとって大切なのは編曲ですね。演奏する曲はすべて編曲まで自分で手がけているの8©井村重人ですが、オリジナルを極力尊重しながら、自分というフィルターに通す作業なので、そこにもおのずと現代性は入ってくると思います」7月の公演では、精鋭揃いのキンテート編成で「ピアソラ祭り」を盛り上げる。「キンテートとは、ピアソラ自身が生涯にわたって探求したバンド編成。コントラバスとピアノの強靭な低音がタンゴの命ともいえるリズムを生み出し、そこにバンドネオンとヴァイオリンによる甘美なメロディが重なる。さらにエレキギターが中音域でその間をとりもつという、非常にバランスのとれた編成です。浜離宮朝日ホールの美しい響きの空間で聴けば、きっと魔法のようなピアソラの音楽の虜になってしまうと思いますよ!」出演:三浦一馬(バンドネオン)石田泰尚(ヴァイオリン)、山田武彦(ピアノ)高橋洋太(コントラバス)、大坪純平(ギター)ピアソラ:アディオス・ノニーノリベルタンゴ「ブエノスアイレスの四季」よりほか


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