浜離宮朝日ホール|朝日ホール通信

1992年オープンの室内楽専用ホール。特にピアノや繊細なアンサンブルの音色を際立たせる設計でその響きは世界でも最高の評価を受けています。


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10月には、リコーダー奏者の濱田芳通がヤコブ・ファン・エイクの「笛の楽園」を取り上げる2日間のコンサートが開催される。約150曲という、リコーダーのために書かれた曲集としては史上最大の規模を誇り、17世紀オランダの流行歌も多数含まれるという「笛の楽園」を、1日目はリコーダーと声楽、2日目はリコーダー・カルテットによる演奏でたっぷり味わえる。ワールドミュージックの個性派クラシック音楽には、ヨーロッパ各地の民族音楽のエッセンスが多分に含まれているが、その原風景を見せてくれるような国際色豊かな音楽家が来日する。4月にはイタリアの鬼才チェリスト&作曲家、ジョヴァンニ・ソッリマ(10P)が無伴奏チェロ・コンサートを行なう。クラシック、ジャズ、ロック、即興演奏まで、あらゆるスタイルを飲み込んで唯一無二の世界を創出するソッリマらしく、バッハから自作曲、古楽、シチリアの伝承曲まで多彩なプログラムとなっている。スペインからは、7月にフラメンコ・ギタリストのカニサレスが来日。巨匠パコ・デ・ルシアのバンドメンバーとして長く活動し、フラメンコ界のトップ・ギタリストであると同時に、作曲家としてアルベニス、グラナドス、ファリャ、ロドリーゴの作品をギターに編曲したアルバムを発表するなど、クラシックのフィールドでも高く評価されている存在。どこまでも美しい音色と、深い思索に満ちた表現は、スペインの光と影を感じさせる。2021年と2022年はピアソラのアニヴァーサリーで盛り上がったが、その熱はまだ冷めない。8月にはバンドネオン奏者のネストル・マルコーニ(8P)が2日間にわたるステージを展開。1日目はマルコーニを師と仰ぐバンドネオン奏者の三浦一馬との共演、2日目はギタリストの朴葵姫との共演で、アルゼンチン・タンゴの魂を伝える。また、6月の藤原道山×SINSKE(11P)、8月のLEO(箏奏者)といった日本の伝統音楽に新たな息吹を吹き込むアーティストにも注目したい。濱田芳通©2012AlmendraMusicジョヴァンニ・ソッリマ©AmancioGuillenカニサレス©日本コロムビアLEO©kunihisakobayashi江口玲浜離宮ランチタイムコンサートが20周年平日のお昼に豊かな音楽を、アーティストのトークとともにお届けする90分の浜離宮ランチタイムコンサートは2004年から開催している人気のシリーズ。開始から20周年を迎える2024年1月の「vol.234」は、第1回目に出演したピアニストの江口玲によるリサイタルで原点回帰を果たす。そのほか、森谷真理(ソプラノ/4月10P)によるラフマニノフ&モーツァルトの歌曲リサイタル、ともに国際コンクールで数々の入賞を重ねてきた金川真弓と徳永真一郎(ヴァイオリン&ギター/7月)のデュオ、日本を代表するハープ奏者である吉野直子とNHK交響楽団ゲスト・コンサートマスターを務める白井圭(ハープ&ヴァイオリン/10月)のデュオ、そして新進気鋭の周防亮介(ヴァイオリン/5月10P)による無伴奏リサイタルまで、多彩なプログラムが予定され©AkiraMuto吉野直子ている。白井圭5


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