浜離宮朝日ホール|朝日ホール通信

1992年オープンの室内楽専用ホール。特にピアノや繊細なアンサンブルの音色を際立たせる設計でその響きは世界でも最高の評価を受けています。


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ワルター・アウアー1995年の阪神淡路大震災は、生命がいかに儚いものかを私たちに教えました。芸術は私たちに希望を与えます。この作品を演奏し、聴いていただくことで、失った愛する人を思い出すのに役立つことができればと願っています」今回のプログラムはフランスの作品が多いが、その演奏からはアウアーならではの「ウィーンらしさ」を感じることもできるだろう。「ウィーン・フィルがほかの楽団と一線を画しているのは、つねに世界最高の歌手と一緒にオペラを演奏しているところです。歌手たちと演奏するには、耳を傾けて素早く反応することが重要で、日々音楽作りについてマスタークラスを受けているように感じています。オペラを演奏することで、私たちのオーケストラ・サウンドはシルキーなタッチとフルボディの重厚さを兼ね備えたものになります。ブラームス、ベートーヴェン、モーツァルトなど、私たちの継承する豊かな伝統から生まれた音楽やサウンドを、聴衆の皆さんは喜んでくださるのではないでしょうか」ピアニストはアウアーの日本での演奏活動には欠かせない存在となっている沢木良子。ふたりが生み出す妙なる響きがホールを満たす日を楽しみに待ちたい。ワルター・アウアーフルート・リサイタル5/17(水)19:00一般¥5,500学生¥2,500沢木良子3/11(土)発売共演:沢木良子(ピアノ)ブリッチャルディ:ローエングリン・ファンタジープーランク:フルート・ソナタデュティユー:ソナチネボルヌ:カルメン幻想曲一柳慧:忘れえぬ記憶の中にInaLivingMemoryフランク:ヴァイオリン・ソナタ(フルート&ピアノ版)ウィーンの名手が聴かせるフルートの粋を集めたプログラム20年にわたりウィーン・フィルならびにウィーン国立歌劇場管弦楽団の首席フルート奏者を務めるワルター・アウアー。日本を「第二の故郷」と呼ぶ親日家でもある名手が、5月に浜離宮朝日ホールでリサイタルを行なう。プーランク「フルート・ソナタ」、デュティユー「ソナチネ」、ボルヌ「カルメン幻想曲」といったフルート&ピアノの名曲が並び、最後はフランクのヴァイオリン・ソナタのフルート&ピアノ編曲版という、匂い立つような美しいプログラムである。「フルートという楽器特有のすべての音色と可能性を皆さんにご紹介したいといつも考えています。新しいプログラムを完成させるには、アイデアが出るところから演奏まで多くの時間がかかりますが、作品をアナリーゼ(分析)し、生まれた音楽に対して聴衆の皆さんがどのような反応をするかを想像しながらプログラムを組んでいます。ある意味で、プログラムを作ることは作曲することに似ていると思います」(ワルター・アウアー、以下同)昨年10月に世を去った作曲家、一柳慧のフルート独奏曲「忘れえぬ記憶の中に」が入っているのも印象的だ。「この作品はとても魅力的な一方で、挑戦的な作品だと思います。この作品が誕生するきっかけとなった6


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