浜離宮朝日ホール|朝日ホール通信

1992年オープンの室内楽専用ホール。特にピアノや繊細なアンサンブルの音色を際立たせる設計でその響きは世界でも最高の評価を受けています。


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浜離宮アフタヌーンコンサート幸田浩子ソプラノ・リサイタル~美しき故郷のうた~©KyokoHarada日本歌曲ならではの情感を寺嶋陸也のピアノとともに専属契約を結んだウィーン・フォルクスオーパーをはじめ、ヨーロッパの名門歌劇場で活躍。帰国後も国内の主要オペラ公演や歌曲のリサイタル、メディアへの出演など、多彩なフィールドで人気を博すソプラノ歌手の幸田浩子が、4月18日の浜離宮アフタヌーンコンサートに、ピアニスト・作曲家の寺嶋陸也とともに登場する。幸田と寺嶋は2013年7月の浜離宮ランチタイムコンサートにも出演しており、そのときも今回と同じく日本歌曲を軸にしたプログラムだった。「2013年は『ふるさと〜日本のうた〜』というアルバムをリリースした年で、そのお披露目も兼ねたリサイタルでした。昨年9月に、同じ『日本のうた』シリーズの3作目となるアルバム『花のまち〜日本のうたⅢ〜』をリリースしたので、今回はその収録曲をリサイタルでお聴きいただけたらと。浜離宮朝日ホールはお客さまにとっても足を運びやすく、響きの面でも言葉の情感をホールの隅々にまで届けられる素晴らしい空間。ここでまた、お客さまと共鳴し合えることをとても嬉しく思います」6『日本のうた』シリーズがスタートして約10年。幸田にとってはライフワークと言えるだろう。「3作目となる『日本のうた』を録音したきっかけは、日本コロムビアのディレクターさんの言葉でした。“日本には知られざる名曲がたくさんあって、私はそれを幸田さんの声で聴きたいんです”って言ってくださったんです。そういう視点は自分にはなかったので、“ああ、そうか。まだ私が出会っていない曲も、自分が歌うなんて思いもしなかった曲も、今の自分が歌ったら、過去の名演とはまた違った形で残せるかもしれない”と思って。そのお話を、偉大な作曲家の先生方と一緒にお仕事をされてきた寺嶋さんにご相談したら、山のように知られざる曲の楽譜を出してきてくださいました。その中から自分の心に響いた作品をあたためて、一枚のアルバムにしました」中田喜直や團伊玖磨ら大正生まれの作曲家から、林光、池辺晋一郎、木下牧子、加藤昌則、そして1990年生まれの山中惇史まで、幅広い時代にわたる作曲家の多彩な作品が収録されている。「リサイタルは4月ですので、アルバムの中から中田喜直の《さくら横ちょう》や、團伊玖磨の《花のまち》など、春にちなんだ曲を歌って、皆さまと一緒に季節を感じられたらと思います。日本歌曲には春を歌ったものがたくさんありますが、どこか儚げで、


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