浜離宮朝日ホール|朝日ホール通信

1992年オープンの室内楽専用ホール。特にピアノや繊細なアンサンブルの音色を際立たせる設計でその響きは世界でも最高の評価を受けています。


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に痛みや傷を抱えた人が多くいるため躊躇してしまます。まさにナウモフ先生の教えがよみがえり、弾くいますが、日本ではこれらの作品を純粋に芸術的なごとに新鮮な気持ちで作品と対峙することができま価値として認めてもらえるため、選んだのです」す。ですから、この作品はけっして飽きることがないチャイコフスキーの「四季」は全曲演奏される機会のです。今回も響きの大好きな、聴衆と親密的な関が少ないため、貴重な演奏となる。係を結ぶことができる浜離宮朝日ホールで、新たな「この作品はピュアで温かく、ノスタルジックなラフマニノフに出会えることに期待しています」感情を呼び覚まします。最初に演奏したのは学生時代で、透明感とゆったりしたテンポに惹かれました。ロシア・ピアニズムの本質とは各々の曲が想像力を掻き立て、日本の聴衆の方たちコブリンの演奏は、ロシア・ピアニズムの伝統にも自然やさまざまな情景からイマジネーションが喚根差したものだが、彼はその奏法をどのように考え起されるのではないかと思います。私が録音でよく聴ているのだろうか。くのは、ミハイル・プレトニョフとウラディーミル・ト「ロシア・ピアニズムの歴史と伝統を辿っていくと、ロップの演奏です。トロップは一時期、助手を務めフランツ・リストにたどり着きます。ヨーロッパの多たこともあるんですよ」種多様な奏法がさまざまな形に変容し、偉大なピアラフマニノフの「音の絵」に関しても、深い共感とニストたちが伝承し、ロシアで育まれました。でも、親近感を抱くという。そのルーツはリストです。私は楽器を大きく豊かに鳴「ラフマニノフもアメリカで暮らし、ロシアへの郷愁らし、レガートを大切に、うたうような響きを重要視の念が強かったと思います。私はその面に強い共感をするこの奏法は、ロシア作品を演奏するときにとて覚えるのです。この作品は作曲された当時と現在のロも大切だと考えています。私は昔からウラディーミル・シアの状況につながる意味を備え、戦争や社会状況、ソフロニツキーが大好きなのですが、彼のスクリャー歴史などあらゆることを考えさせる内容を含んでいまビンなどを聴くとロシア・ピアニズムが理解できます。私はこれを弾くと、〈感情的な旅路〉に出る気持ちす。ソフロニツキーは『もっとも難しいのはシンプルになり、精神的に複雑なものが胸のなかで渦巻く感覚に弾くこと』という言葉を残していますが、ロシア作に陥ります。練習曲と題されていますが、全体的には品はシンプルが信条。今回のチャイコフスキーもラ絵画のようです。高貴なメランコリーと抒情的なノスタフマニノフもシンプルで自然に奏でなくてはなりませルジーが横溢し、えもいわれぬ感情が生まれます」ん。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏のときコブリンはモスクワ音楽院で名教授として知られも感じていますが、シンプルな演奏こそ人の心に届るレフ・ナウモフに師事している。ナウモフはコブリきます。私はそれを希求していきたい。そのためにはンが演奏すると、聴き慣れた作品でも初めて聴く曲自分なりの哲学と美質を忘れてはならないのです」のように新鮮な気持ちで聴いてくれた。楽譜の読み取材・文/伊熊よし子(音楽ジャーナリスト)かたをていねいに指導し、作曲家に関する本を正しく読むことも伝授してくれた。そして弾き慣れた作品でも初めて弾くように演奏することも学んだ。「ラフマニノフの『音の絵』は何度演奏しても常に新たな発見があり、新しい作品を弾く感覚が芽生えアレクサンダー・コブリンピアノ・リサイタル11/1(金)19:00一般¥5,000U30¥2,000チャイコフスキー:四季Op.37aラフマニノフ:練習曲集「音の絵」Op.395


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