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曲第3番ハ長調BWV1009」(ターニャ・テツラフ)、J.S.バッハ「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ長調BWV1005」クリスティアン・テツラフ)、ラヴェル「ヴァイオリンとチェロのためのソナタ」という構成だ。インタビューでは選曲に関して、聴きどころ、楽器についてなどさまざまなことを聞くことができた。自信に満ちたコダーイはかなさを感じさせるラヴェルヴァイオリンとチェロのデュオというのはあまり作品数が多くないが、今回の選曲はふたりの意見で決まったのだろうか。「まず、コダーイはオープニングに弾くのに適していると考え、ふたりの意見が一致、すぐに決まりました。弦楽器にピアノ伴奏という形ではなく、弦2本の作品は数こそ少ないものの、非常に近い感覚の響きを有していますから、聴きやすいと思います。コダーイはロマン的でハンガリーのイディオムが随所に顔をのぞかせ、民族的でありながら自由さが特徴。全編に深く豊かな響きが横溢しています。自信に満ちた音楽ですね」一方、ラヴェルのソナタに関しては、次のように語ってくれた。「この作品は、弦2本が寄り添うことに対する恥じらいのようなもの、もろさやはかなさを感じさせます。歳をとった男性が、経験や知識は多くてもすでに野心は失われ、壊れそうな自分を必死で立て直そうとしている。そんな不思議で、ミステリアスな感覚を内包している作品だと考えています。最終楽章はヴィルトゥオーゾ的に作られており、人を引き付ける魅力にあふれている。ただし、初演が賛否両論だったのは、それまでのヴィルトゥオーゾ的な作品とは一線を画していたからでしょう。現在では時代を超えた名作となっていますが……」より自由に、自然に弾けるようになったバッハ「ふたりともハ長調の作品を選びました。ヴァイオリン・ソナタ第3番は、弾くたびに歓びがからだ中にあふれ、純粋に音楽のすばらしさに心が震えます。最低音の弦から最高音の弦まで用いられ、フーガがすばらしい。死の舞踏とも思える箇所が現れ、人生の終わりを意識させます。私はこの作品を、すでに45年間弾き続けています。最初は聖なる作品、厳格な作品ということで、多分に身構えていましたが、徐々にバッハに近づき、現在は自由闊達で自然な演奏ができるようになりました。その間、影響を受けたのは、最初はガーディナー、ノリントン、アーノンクールをはじめとする指揮者で、彼らは古楽奏法を取り入れながらも人間的なバッハに回帰する解釈を試みていました。やがてチェリビダッケ、マズア、マゼールらとの共演により、私は解釈が変化し、より自由になれたのです。テツラフ・カルテットを創設したのも、人と合わせる大切さ、室内楽のすばらしい作品を演奏しないのは損だと考えたからです」テツラフのヴァイオリンは現代ドイツの製作者ペーター・グライナーの楽器である。「ものすごく高価なイタリアの歴史的なヴァイオリンではなく、私がグライナーの楽器を13年前から使用しているのは音色に魅了されているからです。弱音から強音まで限界がありません。弓は1717年製のものを使っています。妹のチェロはグァダニーニですが、これもとてもいい音色を備えています」素顔のテツラフはステージ上のストイックな様相とは異なり、家庭では料理担当とか。「私は仕事と家庭は完全に分けています。家では子どもたちにタイ料理を作ったりしています。最近、近所にいい魚屋さんができたので、今度は寿司でも握ってみようかな(笑)」取材・文/伊熊よし子(音楽ジャーナリスト)クリスティアン・テツラフ(ヴァイオリン)&ターニャ・テツラフ(チェロ)デュオ・リサイタル5/25(月)19:00¥9,000この2作品に、それぞれのバッハの無伴奏作品を組み合わせている。テツラフは、無伴奏ヴァイオリン・ソナタ」全曲を3度録音しており、自家薬籠中の作品である。コダーイ:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲Op.7J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調BWV1009[ターニャ・テツラフ]J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ長調BWV1005[クリスティアン・テツラフ]ラヴェル:ヴァイオリンとチェロのためのソナタ7