浜離宮朝日ホール|朝日ホール通信

1992年オープンの室内楽専用ホール。特にピアノや繊細なアンサンブルの音色を際立たせる設計でその響きは世界でも最高の評価を受けています。


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ノスタルジアを呼び覚ます精神の旅ジャン=マルク・ルイサダ~ショパン:マズルカ集~ジャン=マルク・ルイサダは、理知的で説得力ある作品解釈と自由で開放的な音楽表現を併せ持つ、現代のフランスを代表するピアニストのひとりである。チュニジアに生まれ、フランスで育ったルイサダは、ロンドン近郊のユーディ・メニューイン音楽学校とパリ国立高等音楽院に学び、1985年のショパン国際ピアノコンクールで5位入賞を果たしたことで、世界中のクラシック音楽ファンにその名が知られるようになった。1984年には初めて日本を訪れ、以来たびたび来日して全国各地でリサイタルを開催している。2005年にはNHK教育の番組『スーパーピアノレッスン』に講師として出演して、日本での人気は確固たるものとなった。5月30日に浜離宮朝日ホールで開催されるルイサダのリサイタルのプログラムは、ショパンの生前に出版された41曲のマズルカを一度にすべて弾くという壮大なもの。ルイサダは1990・91年(DG)と2008年(RCA)の2度にわたり、ショパンのマズルカ集を録音しており、ショパンの作品のなかでもマズルカへの思い入れは強い。ポーランドの伝統的な舞曲に基づくマズルカは、ショパンが生涯を通して取り組んだジャンルのひとつで、1830年から1849年にかけて(今回演奏される41曲に限れば1846年まで)断続的に作曲された。Op.6やOp.7のような初期の作品では、ポーランドの土の香りが前面に押し出されているが、晩年のOp.63に至ると、そうした8©Jen-PinLIN民俗色が詩的なものへと昇華され、果てしない夢幻の世界が広がっている。41曲のマズルカをひとつの演奏会で通して聴く意義は、そうしたショパンの音楽性の深化を肌で感じられることにある。マズルカはいずれも3分から5分程度の小品だが、そうした短い時間のなかでショパンは自らの哲学を表現することができたとルイサダは語っている。その言葉通り、彼のマズルカの演奏には、数分のなかにいくつもの物語が内包されている。ルイサダはマズルカのリズムの微かな揺らぎから、さまざまな情景を浮かび上がらせ、聴き手のなかにあるノスタルジアを強く呼び覚ます。精神の旅とも言うべき3時間のリサイタルを聴き終える頃には、私たちは心地よい疲労感のなかでショパンの本質に一歩近づくことができるだろう。文/八木宏之(音楽評論家)ジャン=マルク・ルイサダピアノ・リサイタル~ショパン:マズルカ集~5/30(土)14:00一般¥7,000U30¥2,000完売ショパン:4つのマズルカOp.6(第1~4番)、5つのマズルカOp.7(第5~9番)4つのマズルカOp.17(第10~13番)、4つのマズルカOp.24(第14~17番)4つのマズルカOp.30(第18~21番)、4つのマズルカOp.33(第22~25番)4つのマズルカOp.41(第26~29番)、3つのマズルカOp.50(第30~32番)3つのマズルカOp.56(第33~35番)、3つのマズルカOp.59(第36~38番)3つのマズルカOp.63(第39~41番)


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